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季節の話

不思議な時計屋さん
あるところに不思議な時計屋さんがありました。
看板には「時計屋」と書いてあるのに中に入ると時計はひとつもありません。

しばらくすると店の奥におばあさんがいるのが見えたので、大きな声で「時計ありますか?」と聞くと・・・・・・
「どんな時計がほしいんだね?」・・・と言うのです。
「めざまし時計がほしいんです。」と言うとおばあさんは「それならこっちへおいで」というのでそばに行くと
ポケットから小さなイチゴの形をした時計を出してきて「これを持っておいき」と言うのです。
「こんなに小さくて音、出るんですか?」と聞くと
「もちろん音は出るよ。けど出てくるのは音だけじゃないよ。・・・朝は何時に起きるんだね?」
「大体6時です」
「それなら時計のそばにかごをおいてねなさい。夜中の1時になるとイチゴがひとつでてくるよ。
 2時になるとふたつ・3時には3つ・4時には4つ・5時には5つ・6時には6つ・・・
 起きる頃にはかごの中にイチゴが21個入っているよ。」
「え?21個も」
「そうだよ。そのイチゴは毎日出てくるからね。自分だけで食べないでみんなにあげなさい。
 そうすると、みんながイチゴ時間を過ごせるからね」
「イチゴ時間でどんな時間ですか?」・・・・
「まぁとにかく過ごしてごらんよ。いい時間だよ」
「毎日でてくるんですか?」
「イチゴのおいしい季節は毎日でてくるよ」
「イチゴの季節が終わると普通の時計にもどるんですか?」
「そうだよ。でもふつうの時計ではつまらないから季節が変わったらまたおいで。違う時計をあげるよ」
「違う時計って・・・どんなのがあるんですか?」
「いろいろあるさ。桃の時計や・・梨の時計や・・・みかんの時計もあるよ」
「わぁ!すごいな!」・・

その夜、時計のそばにかごを置いてねました。・・・・
・・・・朝めを覚ましてみると・・なんとかごの中にはイチゴがちゃんと21個入っていたのです。
それはそれはおいしいイチゴでした。イチゴは毎日でてきました。
ですから毎日、家の人はもちろんのこといろいろな人達にもイチゴをあげることができたのです。
みんな「おいしい!」ってとても喜んでくれました。
そしてなんだか今まで見たことのない様な可愛らしい顔になっていったんです。
まるでイチゴのような顔に!
(そして)それからと言うもの、みんな不思議にとても楽しそうに毎日を過ごすようになったのです。・・・
「・・あっこれがイチゴ時間なんだな!」ってそう思いました。

それからは夏がくるのが楽しみになりました。桃の時計をもらってこよう!秋になったら梨の時計だ!ぶどうの時計にしょうかな!
冬はみかんの時計だ! なんだかわくわくしてきました!・・・・

でもある日、ちょっと心配になりました・・・
もしも桃の時計が売り切れでスイカの時計しかないって言ったらどうしょう・・・・・

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